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ミズキ ゲジゲジ

水木しげる幻獣事典

水木しげる幻獣事典

ヤモリビト佐藤の裏切りで、34年前に殺された松下一郎悪魔くんが復活し、新たな使徒を引き連れて、夢の「千年王国」をつくるために日本、アメリカ、地獄の悪魔、海底人……、と闘う物語。
何と言っても、元祖悪魔くんの復活なので、水木先生色が出ていてかなり楽しめます。
私はヤモリビト佐藤が大好きだったんですが、34年後に彼はもういませんでした(カエル男は健在)。ちょっと残念でしたが、それでも質、量ともに満足できました。
この本は2005年5月に復刻されたものですが、もとは1987年に「コミックBE!」で連載していたものです。
ソロモンの笛で呼ばれる悪魔はロソンです。メフィストではないのであしからず。

ヤモリビトpoints!

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オカルト雑誌の編集者町田(後で12使徒に加わることになる)が、悪魔くんの復活記事を書けとの会社命令で悪魔くんと行動を共にしているときに漏らした言葉。
「疑わしきは罰せずではなく疑わしきは殺すという まるで戦国の昔に戻ったような嫌な時代だ」
悪魔くんの能力を知りながらも、悪魔ロソンの実力(財力?)を知りながらも、それでも現状を憂う町田は、一般人の感覚をいつまでも忘れていないのです。
きっと、悪魔くんの千年王国には、こういう平常な感覚が必要なんだと思いました。私は、能力だけで作り上げる王国に疑問を感じていたので、ヤモリビト佐藤に替わり、町田の存在が嬉しく思えた瞬間です。


初版:1985年3月5日
出版社: 朝日ソノラマ

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