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ミズキ ゲジゲジ

河童膏

河童膏

妖怪の代表格で、誰でも知っている河童の物語。
河童と狐の恋であるとか、田に水を満たすため河童に娘を嫁にやるとか、糞尿に弱い河童と人間の戦争であるとか、河童づくしの短編集。
昔の人は、河童を畏れながらも共存していたんだなあ、というお話。
この本に限らず、伝承の中の河童はじつに義理堅いですね。

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河童膏

「詫び証文」の最後のシーン。
一匹の河童が、悪人和尚に理不尽な「詫び証文」を取られたと、一人の商人に打ち明けるのだが、悪人和尚が「詫び証文」を使って金儲けをしていると聞いた商人は、同じ手法で河童を騙して証文を書くようせまる。
人間の身勝手さが、痛いくらいに伝わってくる何とも嫌なシーンなんですが、金儲けに走りすぎる資本主義を痛烈に批判した水木先生のバッドエンドに子供ながら感心したものです。


初版:1970年9月1日
出版社: 双葉社

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